原因究明できないコンピューターの誤作動。正確無比であるコンピューターに誤作動を誘発させる、それがスキャモルフォーゼの原点です。左向きの彼女は、右向きの彼女と同一人物で、撮影中は、ずっと左を向いていただけで決して右は向いていません。しかし、スキャナーが左から右に移動し、彼女も左を向いたまま、左方向に移動すると、存在しない右向きの彼女が出現するのです。この誤作動の原因は、いまだに解明されていません(作品006)。デジタルスキャナーはスキャンされている被写体が、動かないことを前提としています。しかし、スキャン中に被写体が動いてしまうと……、奇妙な映像が出現します。「いつもの私とは違う私」、でもCGやデジタル加工は一切していない、これも「本物の私」。「本物とは一体なに?」「見えているこの世界だけが、本当の世界ではない?」。スキャモルフォーゼは、「実在の正体を問う」、リアルタイムで忠実に生み出されたデジタルイメージなのです。
2015.1.29 – 2.1 @ 川越美術館
iPhoneで撮影した小作
SCAMOR YOURSELF
スキャモルフォーゼ現象を使用したインスタレーション
自立回転するスキャニングカメラの前に、参加者が立つことにより
参加者自体がスキャモルの世界に投影される